
卵管のトラブルを見逃さないために
不妊の原因のひとつに「卵管の障害」があります。卵管は卵子と精子が出会い、受精卵を子宮に運ぶ大切な通り道です。ここにトラブルがあると、受精や妊娠がうまく進みにくくなってしまいます。
卵管の障害の原因のひとつが「クラミジア感染」です。クラミジアは性感染症の中でも最も多い感染症ですが、感染しても症状がほとんど出ないことが多いため、気づかないうちに進行してしまうことがあります。感染をきっかけに卵管で炎症や癒着が起こり、卵管が詰まったり動きが悪くなったりすることがあるのです。
そこで行われるのが「クラミジア抗体検査」です。これは血液検査で、過去にクラミジアに感染したことがあるかどうかを調べることができます。もし抗体が陽性であれば、以前に感染していた可能性があり、卵管の障害を疑う手がかりになります。
もちろん、抗体が陽性だからといって必ず卵管が詰まっているわけではありません。しかし、不妊の原因を探る上で重要な情報となるため、子宮卵管造影検査や超音波検査などとあわせて評価されることが多い検査です。
クラミジアは早期に発見すれば抗菌薬で治療でき、再感染を防ぐことも可能です。不妊治療の入り口として「体に大きな異常がないか」を確かめる意味でも、クラミジア抗体検査は役立ちます。
自覚症状がないまま影響している可能性があるからこそ、検査で確かめておくことが大切です。

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