女性の不妊症と検査法
不妊の原因と治療方法
原因を知ることを恐れていませんか?
女性の身体は大変複雑にできているため、不妊の原因も多岐にわたります。
的確な治療を受けるためにも、まず原因を調べましょう。
不妊の原因は、大きく、次のように分類されます。
01排卵因子
排卵が不定期に起きる、または全くない状態のこと。月経はあっても無排卵のことがあります。
- 原因
- 卵巣の働きやホルモン分泌に問題があります。
また、ストレスが大きく影響する心因性の無排卵やダイエットが影響するケースもあります。
- 検査方法
- 基礎体温の測定、ホルモン検査、頸管粘液・卵胞計測
02卵管因子
卵管が閉鎖したり癒着したりしているために、卵子や精子、受精卵が卵管を通過できないこと。
- 原因
- 性器クラミジア感染症、骨盤内の手術既往、子宮内膜症など。
- 検査方法
- 卵管通気法・通水法、子宮卵管造影、腹腔鏡
03子宮因子
子宮内に問題があり正常に着床できないこと。
- 原因
- 子宮内膜などに問題がある、または子宮の発育が不完全、子宮筋腫、子宮内膜ポリープなど。
- 検査方法
- 子宮卵管造影、超音波検査、子宮鏡、MRI
04頸管因子
頸管の形状や粘液の質や量によって、精子が子宮内に侵入できないこと。
- 原因
- 頸管細胞より分泌される粘液の性状不良や抗精子抗体の存在などが原因の可能性があります。本来は、排卵直前から排卵にかけて分泌される、この粘液の増加により、精子が膣から子宮内へ泳ぎ上ることができます。
- 検査方法
- 頸管粘液検査、ヒューナーテスト(性交後試験)
05免疫因子
精子に対する抗体(抗精子抗体)、特に精子不動化抗体が頸管粘液内や卵管内にも分泌され、精子の通過が妨げられること。受精の場面でも、精子不動化抗体は精子と卵子の結合を妨害します。
- 原因
- 何らかの免疫異常によりおこります。
- 検査方法
- 精子不動化抗体検査
女性の不妊症の検査
患者さまの月経周期にあわせて行いますので、基本検査だけでも1周期(25~35日)程度は必要になります。一見、回り道のように思える検査が、実は妊娠への近道とお考えください。
不妊症の主な検査
不妊のスクリーニング検査には、検査時期の限定されるものと、限定されないものがあります。
当クリニックでは、効率よく進めるために、次のようなフローチャートにて検査を行っていきます。