不妊治療をはじめる時期については、特にこれといった決まりはありません。しかし、年齢が上がれば上がるほど、妊娠・出産に伴うリスクが高まっていくことを考えると、赤ちゃんが欲しいご夫婦は早いうちに受診をして、妊娠のチャンスを増やしておくことが大切です。1年以上不妊であれば、不妊専門の医療機関を受診しましょう。
不妊治療には時間がかかりますし、妊娠するチャンスは通常の月経周期で年に12~13回しかありません。加えて、女性にはタイムリミットがあることを考えてください。卵子は年齢とともに老化し減少します。貴重な時間を無駄にしないように、ご夫婦でしっかりと話し合って計画を立てましょう。
むかしは不妊治療というと、最初に女性がひとりで来院し、問診や検査を済ませて帰るというのがほとんどでした。しかし、最近では不妊治療を積極的に受ける男性も増えてきています。不妊検査は、もはや女性ひとりで終わらせられない状況です。「なかなか妊娠しない」「どうしても赤ちゃんが欲しい」と思ったら、恥ずかしがらずにご夫婦そろって検査を受けましょう。検査や治療はスムーズに進み、赤ちゃんを授かる可能性も高まります。
不妊治療は一般不妊治療と高度生殖補助医療の二つに分類されます。
一般不妊治療は体内で起こる受精に関しての治療で、これは医療保険の適用です。そして、高度生殖補助医療である体外受精、顕微授精、凍結胚移植なども令和4年4月1日より医療保険の適用となりましたが、年齢や回数に制限があり、それ以外の方や保険を希望しない方は自費となり、高額な負担となります。
不妊治療にかかる費用が家計に影響するのは確かです。しかも個人差もあるため、なかなか予定を立てづらいという面もあります。治療を続けていくうえで、この治療費が壁になっているというご夫婦も少なくありません。後でトラブルにならないよう、治療を受ける前にそれぞれの病院やクリニックで費用の目安を確認しておくことが大切です。
また、高度生殖補助医療も保険適用になったとはいえ不妊治療は高額です。そこで保険治療費の高額療養費制度があるのをご存知でしょうか。限度額認定証の提示があれば約35,400円~約260,000円の自己負担限度額でのお支払いが可能となります。(先進医療は対象外です。)
しかしここで注意して頂きたいのは、保険適用の高度生殖補助医療では、治療開始の年齢によって施行回数が変わるということです。40歳未満では胚移植6回まで、40歳以上43歳未満では胚移植3回まで。それ以降は自費となります。つまり、保険適用の高度生殖補助医療を受けるなら早めに決断をされることです。
これらのことを十分熟知すれば負担もだいぶ少なくなると思われます。
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