タイミング療法は、医療介入度が最も低い、つまり、より自然妊娠に近い方法です。
タイミング療法とは、血中・尿中のホルモンを測り、経膣超音波で卵胞や子宮内膜のサイズを測ることで、排卵日と排卵時間を正確に予測し、この排卵期に確実に性交渉をすることで、自然妊娠を目指す方法です。
タイミング療法には、自然周期によるタイミング療法と、排卵誘発剤を用いたタイミング療法の2段階あります。
自然周期によるタイミング療法は、排卵のタイミングをお伝えするというシンプルな治療になりますが、この方法で妊娠される方も多くいらっしゃいます。ただ、年齢とともに妊娠率が低下しますので、比較的時間的な余裕がある方や、できるだけ自然妊娠を希望される方に適した方法です。
自然周期によるタイミング療法では、毎朝基礎体温表をつけ、排卵日が近づいたら週に1~2回通院をして超音波検査で卵胞の生育状態を観察し、排卵日を予測します。
卵胞は1日に1~2mmずつ大きくなり、直径が18~22mmになると排卵します。この卵胞の大きさを観察していると、正確な排卵日を予測することができます。
また、血中・尿中のLHというホルモンの数値を調べることで、超音波検査による卵胞の大きさと、子宮内膜の厚さから排卵時間を予測します。排卵時間の誤差は、だいたい2~3時間です。
基礎体温が上昇したとしても排卵があるとは限りませんので、予測した排卵日の直後には、確実に排卵があったかどうかを調べます。
自然周期によるタイミング療法を数ヶ月ほど続けても妊娠の兆候が見られない場合は、排卵誘発剤を用いたタイミング療法に切り替えます。
排卵誘発剤によるタイミング療法では、まず飲み薬の排卵誘発剤で排卵を促します。そして、自然周期のタイミング療法と同じ方法で排卵日・排卵時間を予測し、自然妊娠を目指します。数ヶ月経っても妊娠しない場合は、医師との同意のもとで、注射による排卵誘発剤に切り替えることがあります。
排卵誘発剤を使ったタイミング療法を行っても自然妊娠しない場合は、人工授精に進みます。ただ、治療を急いだほうがよいケースに該当する方は、数周期のみチャレンジするか、もしくは初めから人工授精/体外受精を行っていくこともあります。
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