院長ブログ『甲状腺と妊娠について』
甲状腺はカラダの代謝を促進する甲状腺ホルモンを産生する臓器で、のどぼとけの下にあります。甲状腺機能の異常は不妊の原因として考えられており、当院でもスクリーニング検査として実施しております。
甲状腺ホルモンは卵胞の発育にも必要なホルモンで、十分な甲状腺ホルモンが無いと卵胞が発育せず無排卵や無月経が生じやすくなり、疲れやすい、便秘、無気力、息切れ、脱力感などの症状を呈します。逆に過剰になると、排卵までの期間が短くなることがあります。
また、妊娠初期には生理的に甲状腺からのホルモンの分泌が促進し、それが胎盤から胎児に移行し胎児の脳の発育や成長を促します。このホルモンが不足すると、その程度が軽度であっても、流産や早産の率が高くなったり、児の知能低下が起こったりすることが言われており、不妊治療中及び妊娠中の甲状腺ホルモンのコントロールが大切と考えています。
これらを予防するためにも、妊娠を望まれている方及び、妊娠初期の女性は甲状腺機能の検査をすることをお勧めします。診断さえつけば、不足している甲状腺ホルモンを補給することにより予防が可能です。
甲状腺機能に異常がある場合は、妊娠中や授乳中に関わらず、医師の指導のもと甲状腺ホルモンのコントロールを続けてください。
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