院長ブログ『生殖医療(不妊治療)の傾向』
今や生まれてくる子どもの16人に1人は体外受精児です。この20年で生殖医療も大きく変わり、高度生殖医療を用いることにより、難治性不妊の方が妊娠されるようになりました。
しかし、昨今の晩婚晩産傾向により、不妊症の患者数は増加しており、その原因は卵子の加齢によるものといわれています。いくら平均寿命が延び、いくら年齢より若く見える人が増えたとしても、生殖年齢は全く変わらないのです。生殖年齢をのばすことは医者でも現代医学でも超えられない壁です。
卵子が若ければ高度生殖医療を用いずとも一般不妊治療で妊娠される方もおられます。40歳を超えていても良い卵子が少しでも残っていれば、それを用い、良い受精卵を作ることが出来れば妊娠は可能です。我々不妊治療の専門医は残っている僅かな良好な卵子をいかに卵巣から取り出し、良い受精卵を作るか日々奮闘しています。
患者さまにとって妊娠はゴールではありません。その後の出産、その後の長い長い子育てのスタートであり、楽しいファミリーライフの始まりなのです。限られた人生です。不妊治療はなるべく早く終え、妊娠することを考え、その後のご自身の人生にたっぷり時間を使ってほしいです。2人目、3人目を望まれるなら、ここで時間を費やすのは得策ではありません。妊娠・出産にはタイムリミットがあることを知っておきましょう。子どもを希望し6か月~1年妊娠しなければ不妊症を疑い、原因を徹底的に追究することが大切ですよ。
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