胚(受精卵)の凍結保存について【Q&A】
Q どんなときに凍結保存するのでしょうか?
A 採卵で多数の卵がとれた場合。
卵巣刺激により約20個以上の多数の卵胞が発育すると、卵胞ホルモンのエストラジオールの値が異常に高くなり、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になる可能性があります。このOHSSとは、卵巣が腫大し、腹部膨満感や嘔気・嘔吐、重症になると血栓症で生命の危険に関わることもあります。
このOHSSの可能性のある方が妊娠するとOHSSが増悪するので、その周期は胚移植を行わず、成長した良好胚は全て凍結保存し、体調が落ち着くのを待ちます。
またこのような異常に高いホルモン環境になっている状態では、胚の着床が阻害されるため、凍結保存をしておいて、1~2周期後に融解胚移植を行います。
Q 凍結方法は?
A 近年は超高速ガラス化保存法という方法で行っています。
凍結時に胚の中の水分を平衡化液に置換し、最後に保存液にひたして-196℃の液体窒素の中で保存します。
Q 凍結して長期保存しても大丈夫なの?
A 長期保存しても劣化することはないと言われています。
胚は-196℃の液体窒素の中で、細胞内の水分が殆どない状態で保存されていますので、半永久的に保存できると言われています。
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