体を”冷え”から守る「温経湯」
婦人科では、治療の補助として様々な種類の漢方薬が処方されています。その中でも、多くの女性が悩まれている「生理不順」や「冷え性」に効果のある「温経湯(ウンケイトウ)」についてお話します。
温経湯には、その漢字のとおり、「温めて身体の機能を高め調える」効果のある生薬が主に配合されています。それにより、
○ 血液循環を良くして体全体を温める
○ ホルモンバランスを調える
○ 乾燥した皮膚に潤いを与える
といった効能があります。婦人科では主に、
○ 生理不順や生理痛
○ 更年期障害(頭痛、足腰の冷え・痛み)
○ 冷え性
○ 不妊治療、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)
の方に多く処方されています。
実際、患者様から、「手足の冷えを感じにくくなった」「基礎体温が少し上がって、月経周期も安定してきた」といった声をお聞きしています。
ただ、患者様の中には、漢方薬の飲みづらさや、服用後の体調不良(食欲不振、吐き気、胃の不快感など)を訴える方もいらっしゃいます。
漢方薬は、漢方薬の種類やその方の体質、生活習慣にもよりますが、約2週間分くらいを目安にお出ししています。吸収力を高めるために食前もしくは食間(空腹時)の服用を勧めていますが、飲みづらい場合は食後に服用しても構いません。このように1日2回~3回の服用となるため、結構な量に驚かれる方もおられます。
どうしても飲みづらい方、また、副作用がツライ場合は、医師にご相談ください。
春の陽気を感じる季節になりましたが、まだまだ朝晩は冷え込むこともあります。冷えによる身体の不調を感じやすい方は、一度「温経湯」を試してみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんを授かるための
ママとパパの本
いちばん丁寧に心を込めて解説した「赤ちゃんを授かるための知識」が詰まった1冊です。