タイミング療法とは、血中・尿中のホルモンを測り、経膣超音波で卵胞や子宮内膜のサイズを測ることで、排卵日と排卵時間を正確に予測し、この排卵期に確実に性交渉をすることで、自然妊娠を目指す方法です。医療介入度が最も低い、つまり、より自然妊娠に近い方法です。
タイミング療法には、自然周期によるタイミング療法と、排卵誘発剤を用いたタイミング療法の2種類あります。
予測した排卵期に夫婦生活をもつことで、自然妊娠を目指します。
予測した排卵期に夫婦生活をもつことで、自然妊娠を目指します。
排卵日が知りたい、タイミング療法から始めたいと希望される方は多く、それにこしたことはないのですが、 妊活を始めたものの授かれなかったので医療機関を受診したという方は、年齢も考慮し、不妊検査や約3か月から6か月を目安にステップアップも視野に入れておいた方が良いでしょう。 妊娠に至らず、ただそれを繰り返していると結局は時間だけが経ち心身ともに疲れてきます。
タイミングを取った後はきちんと排卵しているかの確認をすることがあります。着床や妊娠継続に重要な黄体ホルモンの補充をする場合があり、その場合は内服、膣剤または注射で行います。
タイミングを取ってから2週間経過しても生理が来ない場合は、妊娠の判定を行います。セルフチェックまたはクリニックより検査容器をお持ち帰りいただきます。
自然周期によるタイミング療法は、排卵のタイミングをお伝えするというシンプルな治療になりますが、この方法で妊娠される方も多くいらっしゃいます。ただ、年齢とともに妊娠率が低下しますので、比較的時間的な余裕がある方や、できるだけ自然妊娠を希望される方に適した方法です。
自然周期によるタイミング療法では、基礎体温表や超音波により卵胞の発育を観察します。
卵胞は1日に1~2mmずつ大きくなり、直径が18~22mmになると排卵します。この卵胞の大きさを観察していると、正確な排卵日を予測することができます。
また、血中・尿中のLHというホルモンの数値を調べ、超音波検査による卵胞の大きさと、子宮内膜の厚さから排卵時間を予測します。排卵時間の誤差は、だいたい2~3時間です。
基礎体温が上昇したとしても排卵があるとは限りませんので、予測した排卵日の直後には、確実に排卵があったかどうかを調べます。
また、排卵が不規則の場合は、排卵誘発剤により排卵を促しタイミングを指導します。
排卵誘発剤によるタイミング療法では、まず飲み薬の排卵誘発剤で排卵を促します。そして、自然周期のタイミング療法と同じ方法で排卵日・排卵時間を予測し、自然妊娠を目指します。 それでも妊娠しない場合は、医師との同意のもとで、注射による排卵誘発剤に切り替えることがあります。
HMGまたはFSH(下垂体性性腺刺激ホルモン)注射で卵巣を刺激し、卵胞が成熟したところで、HCG(胎盤性性腺刺激ホルモン)を注射して排卵を促進させます。
図はあくまで参考例で、薬の種類、卵胞の状態などで調整いたします。
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