西川クリニック
         
         

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不妊症

母になる喜びをあきらめないで。愛らしいわが子を胸に抱くために。

男性の不妊症
一般に不妊症のご夫婦の約40%は男性にも原因があるといわれていますが、私達のクリニックの調査ではもっと高率で、半数近くになっています。
尚、重度の男性不妊症の場合でも、最近では高度な治療法が種々開発されているので、妊娠率も上がっています。



男性の主な不妊症と治療法

「造精機能障害」

(精子減少症、乏精子症、精子無力症、無精子症)

自然妊娠可能な精子数は、1ml中4,000万個以上・運動率50%以上です。この精子数が4〜5,000万個以下なら「精子減少症」、1,000万個以下は「乏精子症」、精子が全くいない場合が「無精子症」です。但し、AIH(配偶者間人工授精)体外受精顕微授精AID(非配偶者間人工授精)などによって妊娠は可能です。また、ビタミン、酵素活性剤、末梢循環増強剤、漢方薬や性腺刺激ホルモンの注射など、精巣の薬物刺激療法も精子改善に効果があります。
尚、無精子症の診断を受けられた方でも、薬剤による精巣刺激療法で、精子が造られる可能性もあります。また精液の全量を調べることで活動精子が確認されて、顕微授精で妊娠される例も少なくありません。

*精子の奇形
射精された精子の中には奇形も混ざっています。この奇形率が高くなると妊娠率は下がります。
男性生殖器の図解


「性交障害」

勃起するが性交がうまくいかない場合の多くは、女性側の処女膜が肥厚し強靭な為挿入が困難(女性側が疼痛を訴えることが非常に多いです)、というケースがあります。この場合は、処女膜を切開する簡単な手術(数分で済みます)で解決されます。

「ED」(インポテンツ)

勃起障害勃起不全といわれるもので、勃起しないために性交ができない状態や、勃起はしても十分な勃起にならなかったり、あるいは維持できないために満足な性交が行えないことをいいます。
勃起に関係している神経系の異常や、海綿体に血液を送り込むための血管系の異常、その他内分泌系の異常、ペニスの器質的な疾患(形態異常など)によって起こる器質的原因や、心理的な要因によって性交のできない機能的原因があります。
治療薬のバイアグラが平成11年3月に承認されて大きな話題になりましたが、治療効果もかなり期待できますし、正しく使えば有用なお薬です。
私のクリニックでも不妊治療の一環として処方しています。

「精管通過障害」

精巣で精子は造られても精子の通り道である精管に何らかの原因で閉鎖されている場合で、これは手術によって解決されます。また精巣・精巣上体などから精子を採取して顕微授精などを行う方法もあります。



男性不妊の検査

「視診・触診」

男性器に奇形や異常がないかを目で視るとともにさわって診察します。精巣、精巣上体、精管などの硬さ、腫脹や、精索静脈瘤などの有無を調べます。男性外性器の大きさや発育程度も機能に影響します。

*精巣と陰茎の大きさ
精巣は、長径が3.5cm前後、短径が3cm前後、また厚さは2cm前後が平均です。また日本人の陰茎の長さの平均は7.4cmで、5cm未満は性交に支障があります。

「一般精液検査」

採取した精液を20〜30分置いて液化させた後、色や量、または精子の濃度や運動率、奇形率などを調べます。

*精子の基準
正常 2000万/ml以上及び総精子数4000万以上、直進運動精子50%以上、高速直進精子25%以上
乏精子症 2000万/ml以下及び総精子数4000万以下、直進運動精子50%以下
精子無力症 前進する精子が50%以下または、高速直進精子が25%以下
奇形精子症 奇形精子が30%以上
乏精子症・精子無力症・奇形精子症 精子濃度・運動率・奇形率の全てが異常
無精子症 精液中に精子がないもの
無精液症 精液が射出されないもの
これはWHOにおける基準であり、自然妊娠が可能である下限です。
当院では、精子濃度6000万/ml以上、直進運動精子60%以上を理想としております。

「精子機能検査」

アクロビーズテスト、精子生存試験、精子膨化試験、ハムスターテストなどにより、精子の機能を精密に検査します。精子の受精能力(妊孕性)を予測することができるので、より適切な治療の選択が可能になります。

「ホルモン検査」

間脳(視床下部)→下垂体から分泌されるホルモンは、睾丸での精子の生産をコントロールしており、分泌が低下すると、性的能力が低下し精子の生産も減少します。尿や血液で検査します。



重度の男性不妊症に対する検査・治療

「HOST(低浸透圧膨化試験)」

運動精子が全くみられない精子死滅症の診断でも、中には、死滅した不動精子だけではなくて、生存している不動精子が混在している精子不動症の場合には、精子を見分けることにより妊娠が可能となります。方法は、精子を低浸透圧の液に浸して生存の有無を確認します。
これにより生存精子と判定された精子を使って、顕微授精が施行できます。

「精子回収試験」

射出精液全量の中から、精子の回収を行う方法。
これにより、今まで無精子症と思われていた方でも、全量を調べることにより、精子が見つかることがあります。たとえ1個の精子でも見出せば、顕微授精を行うことができますし、また精巣に精祖、精母細胞が存在していることを示しますから、薬剤刺激療法により造精機能を亢進して精子を増やすこともできますので、妊娠が可能となります。
乏精子症の場合でも、全量から回収した優良精子で人工授精や体外受精、顕微授精を行うので、当院でも高妊娠率をあげています。
また無精子症の診断でも精祖、精母細胞が存在すれば、精管閉鎖がなければ、精子が生産される可能性があります。

「精巣の組織検査」

精巣を切開または穿刺して組織の一部を採取し、検査します。精液検査で見られなかった精子が精巣組織で見られれば、精子の通り道である精管に問題があることになります。尚この組織検査を希望しない方には、薬剤による精巣刺激療法で造精機能を判断する方法もあります。

「精管撮影法」

精管や精嚢腺などをレントゲン撮影して、結核や淋病などの炎症によって精子の通り道が閉鎖していないかどうかを調べます。通常この検査は、泌尿器科で行います。
 
男性の不妊治療